opening..
こんにちは。
犬好きギター少年 mitsuru..です。
本日も<Wonderful Wonder Words>にお越しいただき誠にありがとうございます。
今回は前回お知らせしておりました通り、映画の特集の第2弾
SE7EN 7つの大罪 ~septem peccata mortalia~
をお届けいたします。
映画『SE7EN』
の物語の先導的かつ象徴的役割を担う「7つの大罪」をピックアップしながら、2人の主人公の心情や関係性の変化を押さえつつクライマックスについての感想を述べる企画となっております。
映画をまだご覧になっていなければネタバレになりますのでお気を付け頂きますようお願いいたします。
それではどうぞ最後までお楽しみください。
introduction..
SE7EN
●映画『SE7EN』
1995年に公開されたアメリカ映画
キリスト教の「7つの大罪」をモチーフとした連続猟奇殺人事件とそれを追う2人の刑事を描いたサイコサスペンス。
重厚なストーリー展開と驚愕なクライマックスが話題を呼び大ヒットとなりました。
しかし大変意外なことに、アカデミー賞(1996/68th)では編集賞にノミネートされたのみで、作品賞はおろか監督賞、主演男優賞・助演男優賞にもノミネートされませんでした。
●監督:David Fincher
本作が監督2作目で、独特な撮影技法や斬新な演出と完璧な筋立てにより前作を圧倒的に凌駕する成功を収めました。
後に『The Game』(1997年),『Fight Club』(1999年),『Panic Room』(2002年),『The Curious Case of Benjamin Button』(2008年),『Gone Girl』(2014年)といった作品を大ヒットさせ世界的監督としての地位を築いて行きます。
●主演:Brat Pitt
数々の大ヒット作品で主演を務める世界的な人気と評価を誇るトップオブトップスター俳優の一人。
1987年に始まるキャリアの中で本作ではその演技は高く評価され、映画も大ヒットとなり本格的に世界的地位に立つこととなります。
本作がDavid Fincher監督との初タッグで、後に『Fight Club』(1999年), 『The Curious Case of Benjamin Button』(2008年)でもタッグを組みことになります。
●助演:Morgan Freeman
1964年からの長きに渡るキャリアの中で、何度もアカデミー賞の主演賞・助演賞にノミネートされ、特に前年公開の『The Shawshank Redemption』(邦題:『ショーシャンクの空に』)では非常に高い評価を受け超一流のトップ俳優の地位を揺ぎ無いものとしていました。
●cast:主たるキャストは以下の4人です。
David Mills /Brad Pitt:活躍の場を求めて治安の悪い都会の街に赴任して来た新入り刑事
血気盛んで正義感が強く純粋で心優しい性格の持ち主
犯罪とは異常者が犯すものであって犯人逮捕こそが刑事の仕事だと信じている
犯罪が日常化している都会の人々の無関心さに憤りを感じている
連続猟奇殺人事件を追いながら相棒となるベテラン刑事の感情や信念に多大な影響を及ぼす
William Somerset /Morgan Freeman:粛々と丁寧に仕事をこなして来た定年退職間近のベテラン刑事
規則正しい生活習慣と冷静沈着な性格の持ち主
犯罪とは普通の人が犯すものであって捜査こそが刑事の仕事だと認識している
犯罪が日常化している都会の人々の無関心さを自分も含めて止むを得ないことだと思っている
連続猟奇殺人事件での相棒となる新米刑事の影響でそれまでの信念や正義が揺らぎ始める
John Doe /Kevin Spacey:連続猟奇殺人事件の犯人
天才的な頭脳と冷静沈着な性格の持ち主
「7つの大罪」をモチーフに残虐な殺人を計画的に実行している
犯罪が日常化している都会の人々の無関心さに鉄槌を下そうとしている
最後には自らを罪人とし罰を受けることによって計画を完遂しようとする
Tracy Mills /Gwyneth Paltrow:Mills刑事の妻・元小学校教師
夫の赴任によって転居して来た治安の悪い街に馴染めず不安感に苛まれている
妊娠によりその心労はさらに募り夫の上司であるSomerset刑事を相談の拠り所とする
John Doeによる「7つの大罪」殺人事件に巻き込まれてしまう
seven deadly sins
「7つの大罪」とは…
キリスト教の用語。人間を罪に導くとされる欲望や感情を指す。
➀傲慢(pride) ②強欲(greed) ③嫉妬(envy) ④憤怒(wrath) ⑤色欲(lust) ⑥暴食(gluttony) ⑦怠惰(sloth) の7つ。
現代においては、直訳の「7つの死に至る罪」という極め付けの罪の典型というより、すべての人に備わるごく普通の習性の負の共通項のような解釈の方が強いのではないかと思われる。
それでは、時系列を見て行くことにいたしましょう。
Time Line
1年前 | ●John Doe:グルード弁護士の口利きにより短期で刑を終え出所したアラン(通称ビクター)を監禁し拘束 |
金曜日 | ●John Doe:グルード弁護士の事務所の執務室に侵入し捕縛 |
日曜日 -雨- | 妻による夫殺人事件現場 ●Somerset:凄惨な現場を子供が見たかと心配し同僚に疎まれる ●Mills:着任早々現場に直行 Somerset刑事と合流 |
●Somerset:治安の悪いこの街に態々異動して来たMillsの心情が理解できない ●Mills:上司となるSomersetに7日間は黙って見るだけでいいと言われ意欲を削がれる | |
月曜日 -雨- | 巨漢の男殺害事件 ●Somerset:意気揚々と現場に乗り込み饒舌になるMillsをうるさいと叱る ●Mills:被害者発見後Somerset刑事に近所の聞き込みに行くよう指示される 刑事らしいことがしたいと言うが現場捜査など期待していないと言われ失望 |
<分署>捜査会議 ●Somerset:現場の証拠から連続事件になると予測 捜査の途中で定年を迎えることになるのは嫌だと担当を拒否 ●Mills:意欲を見せるもSomerset刑事にも分署長にも信頼されず担当を外され苛立つ ●Somerset:分署長に巨漢男事件の後始末を命じられる | |
●John Doe:1年前に監禁し拘束したビクターの部屋から去る | |
火曜日 -雨- | グルード弁護士殺害事件 ●Mills:巨漢男事件の担当を外され一人で弁護士事務所の被害者の執務室へ 床に『GREED』の血文字 壁の女性の顔写真の両目が血で縁どられているのを発見 |
“GREED” (強欲) | |
<分署> ●Somerset:巨漢男の報告書作成 分署長にグルード弁護士事件の『GREED』の血文字の件を伝えられる 検視官が発見した巨漢男の胃に残っていたプラスティック片を渡される | |
<巨漢男事件現場> ●Somerset:プラスティック片が冷蔵庫側の床の削られた痕跡と一致 冷蔵庫を動かすと壁に『GLUTTONY』と脂で描かれた文字と 「地獄より光に至る道は長く険しい」とミルトンの『失楽園』からの引用のメモを発見 | |
“GLUTTONY” (大食) | |
<分署>捜査会議 ●Somerset:メモはすべての始まり 殺人事件は「7つの大罪」に添って行われており、「GLUTTONY(大食)」と「GREED(強欲)」の他に「SLOTH(怠惰)」,「WRATH(憤怒)」,「傲慢(PRIDE)」,「肉欲(LUST)」,「嫉妬(ENVY)」と続く 犯人はあと5人殺害するつもりだ 前回同様担当を拒否し代わりにMills刑事を指名 | |
<自宅> ●Somerset:ダーツの的にナイフを投げて射す | |
●Somerset:図書館へ 道中事件現場に遭遇するもスルー 図書館職員の日常的な賭博行為も見逃している チョーサーの『カンタベリー物語』とダンテの『神曲』に目を通す 参考になるページをコピーし封入 ●Mills:自宅で現場写真を見ながら考え込む ●Tracy:夫を心配そうに見つめている ●Somerset:署へ戻り封筒をMillsのデスクの上に置く | |
水曜日 -雨- | ●Mills:ダンテの『神曲』の難解さに頭を抱え苛立つ 巡査に解説書をもらう |
<分署>MillsとSomersetのデスク入れ替え ●Tracy:署へ電話しSomersetを今夜の夕食に招待する | |
<Mills宅>夕食 ●Mills:Tracyに御立腹 ●Tracy:越して来たこの街に馴染めず不安である様子をみせる ●Somserset:地下鉄が通るとすごく揺れる家を面白がり笑う | |
<Mills部屋>グルード弁護士事件の捜査の立て直し ●Somerset:冷静かつ緻密な捜査の徹底が大事だと言う 犯行は説教もしくは罰/7つの大罪は中世の説教の道具/指紋無し・被害者に関連性無し・目撃者無し ●Mills:目撃者がいないのを不思議がる ●Somerset:都会での他人に対する無関心さを説く 強姦魔に襲われたら大声で「火事だ!」と叫べ「助けて!」では誰も来てくれない ●Mills:馬鹿げていると反応 ●Somerset:弁護士の女房の顔写真の両目に眼鏡のような血の縁取りに注目 今夜は捜査資料を趣味で見ただけで週末には辞めると言いつつも 「何かを見た」「何かを見るはずだ」のサインか 何かは分からないが意味はある それを調べようと言う ●Tracy:一人取り残される | |
<被害者妻宅>聞き込み ●Mills & Somerset: 嘆き悲しむ女房に情けを見せるMillsと無理にでも答えさせようとする容赦のないSomerset 犯行現場写真の執務室の壁に掛けられている絵画の向きが上下逆さまだと分かる | |
<被害者執務室>現場検証 ●Somerset:壁から絵画を取り外すも壁には何も書かれていない ●Mills:絵画を解体するためにSomersetが取り出した飛び出しナイフに一瞬驚く ●Somerset:犯人に憤るMillsを慌てるなと宥める 何も見当たらないのでもう一度絵画がかけられていた壁をブラシで履くと人の指のような痕跡出現 鑑識「HELP ME」と指を押し当てて描いた文字が浮かび上がる 指紋も指の形も被害者のものではない | |
<分署>指紋照合 ●Somerset:犯人逮捕に躍起になるMillsを諫める ●Mills:犯人を逮捕しないで何をするのかと言い返す ●Somerset:自分にもそんな頃があったが逮捕よりも捜査がすべてだ あらゆる証拠を集め現場の写真を撮り分析し事件の経過を調べそれらすべてを書き留める 万一の裁判になった時のためにきちんと整理しておく それだけだ ●Mills:馬鹿げていると一蹴 ●Somerset:どんな大きな手掛かりでも犯人に結び付くとは限らない 何年経っても浮かばれない被害者は山ほどいる ●Mills:捕まえてやると意気込む 廊下のソファーで照合結果を待ちつつそのまま眠り込む二人 | |
木曜日 -雨- | 早朝 指紋照合完了 指紋の主は通称ビクター本名はアラン 服役するも強欲弁護士グルードの口添えで短期で出所 叩き起こされる二人 スワットともに現場急行 ●Somerset:犯人は別にいる こいつには奥がない |
●Mills:銃で撃たれたことは?とSomersetに問う ●Somerset:34年間で一度もない 撃ったこともない ●Mills:自分は撃たれたことは一度もないが撃ったのは一度ある 新米時代に銃乱射犯に発砲しその後死亡した 事件の記憶は鮮明にあるも犯人の名前を失念していることに苛立つ ●Somerset:黙って話を聞いている | |
ビクター監禁拘束事件 壁に『SLOTH』の文字 被害者の経過観察写真発見 最新は3日前、最初の日付はちょうど1年目の今日 | |
“SLOTH” (怠惰) | |
●Mills:犯人に心底憤る ●Somerset:感情的になるな、冷静に状況を見ろと諫める ●Mills:俺は感情で生きていると逆らう ●Somerset:聞いているのかと感情的になる | |
●John Doe:報道カメラマンに扮装し立ち入り禁止の現場に現れる ●Mills:突如としてシャッターを切る男に激怒 ●John Doe:写真を撮ったぞと言って退散 ●Mills:俺はMills刑事だと叫ぶ | |
●Mills:感情的になったことをSomersetに詫びる ●Somerset:激怒するMillsに少し驚いたものの感情で生きている奴もおもしろいと寛容な態度を見せる | |
<搬送先病院> ●Somerset:被害者の生存の可能性をDr.に問う | |
<Somerset宅> ●Somerset:考え込んでいるところにTracyからの電話 ●Tracy:相談したいことがあるから明日の朝何処かで会えないか この街で話せるのはあなたしかいない | |
金曜日 -雨- | <レストラン> ●Tracy:この街に長くいる人と話がしたかった ●Somerset:悩みがあるならMillsに相談すべきだと冷たい態度 しかしTracyの本当の悩みが別にあると察知 ●Tracy:本当の悩みは子供ができたことと告白 『この街が嫌い』 ●Somerset:ずっと昔にこんな酷い世の中に子供を産むのかと怖くなって妊娠した女性を説得して産まないことを求めた だが今もずっと後悔しているという体験を語る ●Tracy:『私は産みたい』 ●Somerset:もし子供を産まないつもりなら妊娠は内緒にしなさい だが子供を産むのなら精一杯甘やかして育ててやれと精一杯のアドバイス ●Tracy:咽び泣く |
<分署>捜査会議 7つの大罪は残り4つ ●Mills:次の犯行をただ待つだけの状況に苛立つ ●Somerset:それが仕事だと諫める ●Mills:こうしている間にイカレ野郎はまた犯行を犯す ●Somerset:犯人はイカレ野郎ではない 犯行開始後丁度1年後に踏み込ませる計算をしていた 「地獄より光に至る道は長く険しい」の予言通りの犯行 犯人は入念で綿密で我慢強い ●Mills:頭がイカレているだけ 例え図書館に通おうと同じと言い返す ●Somerset:何か思い出したように外へ出ようとMillsを急かす | |
<図書館> ●Somerset:「7つの大罪」に関する本のリスト作成 ●Mills:まるでやる気なし | |
●Somerset:旧知のFBI捜査官に図書貸し出しによる読書傾向からの人物特定調査を極秘に依頼 ●Mills:FBIの違法性に憤慨 ●Somerset:それによって逮捕はしないが捜査の役に立つと依頼の真相を明かす | |
全ての本の貸し出しに該当しているのは「John Doe」という人物と絞り込まれる ●Somerset:渋るMillsを引き連れて話を聞きにJohn Doeのマンションの部屋へ ●John Doe:外出帰りのマンションの廊下で二人と鉢合わせ いきなり銃を発砲し逃走 | |
●Mills:銃を構えながら追跡するも撃てず 途中左腕を負傷 ●John Doe:追うMillsに何発も発砲 左足をかばうように逃走 ●Mills:挙句接近するも頭部を殴打され転倒 ●John Doe:銃口をMillsの頭部に押し当てるも撃たずに去る | |
●Mills:負傷したままの状態で今すぐJohn Doeの部屋を捜索したいと半狂乱になる ●Somerset:入るには令状がいる ノックするにも理由がいる 考えろとMillsを必死に制する ●Mills:分かった俺が間違っていたと言いながらドアを蹴破る | |
●Mills:近隣住人を買収し巡査に嘘の証言をさせ正式にJohn Doeの居宅に入室 ●Somerset:Millsと共に家宅捜査 これまでの犯行を裏付ける数々の証拠が陳列 皮革店の領収書と娼婦らしき金髪の女性の写真発見 ●Mills:犯行記録写真と共に昨日のビクター拘束事件現場で遭遇したカメラマンが撮った時の自分が写っている写真を発見 あの時のカメラマンがJohn Doeだったことが判明し落胆 ●Somerset:1冊250頁の記録ノート×2000冊発見 ゆっくりと目を通している 捜査の長期化を懸念 ●John Doe: 自宅に電話 Millsにこれまでの捜査を讃え今後の予定変更を告げる 怪我をさせたことを詫びて切る | |
土曜日 -雨- | ●Mills & Somerset:皮革店へ聞き込み 昨夜John Doeがやって来たことを店主証言 金髪の女性が見つかったとの連絡が入る |
娼婦殺害事件 ドアに『LUST』の文字 | |
“LUST” (肉欲) | |
<分署>取り調べ ●Mills:何も気付かなったという関係者対して 仕事は楽しいかと質問すると『楽しかねえ、それが人生だろ?』と言われ黙る | |
<Bar> ●Somerset:犯人逮捕に燃えているMillsを諭す ハッピーエンドなんてない 絶対に/John Doeは悪魔ではない 奴も人間だ/英雄になりたいか 人々は英雄なんて求めてはいない 平凡に暮らしたいだけだ/こんな世の中うんざりだが無関心が一番の解決だ/我々は頭のいかれた奴ではなく日常の話をしている/お前は初心過ぎる/自分が世の中を変える? ●Mills:何でそんな風な考え方になった/自分に正直になれよ/問題は人々の無関心だと言うが自分も無関心でいるのは筋が通らない/心底からではなく辞めるからそう思いたいだけ/世の中最悪だとは言わない 同意はしない できない ●Somerset:最後は黙って聞いている | |
<Mills宅> ●Tracy:妊娠していることはまだ伝えていない様子 | |
<自宅> ●Somerset:寝付けずにメトロノームを床に投げつけ破壊 ダーツの的に何度も飛び出しナイフを投げて刺す | |
日曜日 -晴ー | ●John Doe:警察署に電話 またやったよと犯行を実行したことを伝える |
美人モデル殺害事件 壁に『PRIDE』の文字 犯行直後 | |
“PRIDE” (高慢) | |
<分署> ●Somerset: もう少し捜査に残ると言い出す 結末は2つ 奴を逮捕するか、奴が7つの殺人を完遂するか もう数日相棒でいたい 私の頼みだとMillsに懇願 ●Mills:心配はいらない一人でできると言うものの止むを得ず受け入れる 職員からTracyから電話があったと伝えられる ●John Doe:タクシーで分署に現れる 返り血のいっぱい付いたシャツ姿 歩いて行くミルズに刑事さんと呼びかけるも署内の誰にも気付かれず 大声を上げることでようやく気付いたMillsに出て来たぜと言う ●Mills:目の前のJohn Doeに慌てふためく 銃を構え警官たちと取り囲み床に這いつくばらせ逮捕 ●John Doe:私の弁護士を呼んでくれ | |
尋問せずにこのまま裁判所へ送ると言う分署長 ●Mills:奴が簡単に自首するわけがない 何かあるはず ●Somerset:何かある 初めてお前と完全に意見が一致した あと2人で目的達成だ | |
弁護士聴取 ●John Doe:あと2人死体を隠している/Mills刑事とSomerset刑事だけを今日の6時に現場に案内する/二人が断れば永遠に死体は見つからない/断れば精神病を主張する/条件を受け入れれば罪を全て認める | |
分署長に選択を委ねられた二人 ●Mills:認めるならやると即答 ●Somerset:取引には応じないと拒否 死体はないと踏んでいたが 鑑識の結果John Doe本人とモデルとあともう一人別の血が検出されたことを知る ●Mills:終わらせよう | |
<搬送準備> ●Somerset:悪魔ではなく奴も人間だと思っていたJohn Doeの異常性を受け入れる ●Mills:『俺は…』Somersetに何かを言いかけてやめる | |
<John Doe搬送>車発進・ヘリコプター追跡 ●Somerset:お前の正体は? ●John Doe:私が誰かなんて意味はない ●Mills:行先は? ●John Doe:人にものを聞かせたければ手で肩を叩いても駄目だ ハンマーを使うのだ そうすれば本気で聞く ●Mills:お前は特別なのか? ●John Doe:私は人と同じだ だが私のしていることは特別だ ●Mills:別に何も特別じゃない 2か月も経つとみんな興味を失いすべて忘れてしまう ●John Doe:まだ全部終わっていない すべてが終わればその結末は人には理解しにくいが認めざるを得なくなる ●Mills:くだらん計画だ ●John Doe:素晴らしい結末だ ●Mills:始まったら教えろ 見逃したくない ●John Do:心配ない 見逃さないよ 絶対にな ●Mills:教えてくれよ 異常な奴って自分で自分が異常だと思うか? ●John Doe:私が異常者なら安心か? どうせ君には理解できない 私は選ばれた者なのだ ●Mills:お前は罪のない人たちを殺した ●John Doe:罪がない? 冗談だろ? この腐った世の中で 誰が本気で奴らを罪のない人々だと? だが問題は、もっと普通にある人々の罪だ 我々はそれを許している それが日常で些細なことだから朝から晩まで許している だがもう許されぬ 私が見せしめをした 私のしたことを人々は考えそれを学びそして従う 永遠にな 私が今ここにいるのは私が望んだからだ 逮捕せずに何をしていた? あの時私はお前を業と殺さなかった 情けでな 鏡で自分の顔を見るたび私のおかげで救われたと思い出すがいい ●Mills:異常者め 黙ってろ お前は救世主などじゃない ●Somerset:お前も神と同じ審判を与えたと? ●John Doe:神の行いは神秘だ あそこが行先だ | |
車停止・ヘリコプター上空待機 ●Mills & Somerset:下車 周りを見渡しJohn Doeを車から降ろす ●John Doe:7時1分と聞き間も無くだと答える ●Somerset:北から1台のバンがやって来るので様子を伺いに車で接近し進路を遮断 ●Mills:銃口をJohn Doeに向け跪かせて待機 ●Somerset:銃を発砲しバンを停車させる 運転手を降ろし尋問 運送屋でMillsに荷物を運びに来たと答えるので荷物を降ろさせる 出て来たのは小さい段ボール箱 上空のヘリに爆弾処理班を呼ぶように連絡 ダンボール箱の蓋を開けるか躊躇するも飛び出しナイフで開け始める 血を確認 ●John Doe:注視しているMillsに本当に君には感謝していると語り始める 君は立派に生きている 自信を持っていい ●Somerset:蓋を開け恐れ慄く Millsの方を振り返り見る ヘリは離れろ!ここには近付くな!奴の罠だ! ●John Doe:黙れ!と叫ぶMillsに耳を貸さずに語り続ける 君を誉めているんだ 可愛い女房もなTracy 君の分署の警官たちは簡単に記者に情報を流す ●Somerset:銃を捨てろ!とMillsに叫ぶ ●John Doe:今朝君の出た後家にお邪魔した 平凡な夫の楽しみを味わいたくてな ●Somerset:銃を捨てろ! ●John Doe:逆らいおった そこで土産を持って来た 女房の首だ ●Mills:戻って来たSomersetに あいつは何を? あれは? あの箱の中身は? ●Somerset:質問には応じず自らの銃を捨ててMillsniに銃を寄こせと言う ●John Doe:君の平凡な暮らしを妬んだ私も罪人だ ●Somerset:こいつはお前に撃たせたいんだ ●Mills:嘘だ!この嘘つきめ!嘘だろ!無事だろ!? ●John Doe:私に復讐しろそれが怒りの罪だ ●Somerset:半狂乱になるMillsに殺せばお前の負けだぞ ●John Doe:女房は命乞いをした 子を身籠っていると ●Somerset:勢いJohn Doeを殴る ●Mills:Tracyが妊娠していたことを自分だけだ知らなかったことに気付く ●John Doe:その反応を見て彼は知らなかったのかとSomersetに聞く ●Somerset:天を仰ぐ 銃をよこせ こいつを殺せばこいつの勝ちだ ●Mills:撃つか撃つまいか逡巡を繰り返す ●John Doe:『David』とMillsの名を呼ぶ ●Mills:撃つか撃たまいか必死に逡巡を繰り返す ●Tracy:その刹那Millsの脳裏に浮かぶ ●John Doe:目を閉じる ●Mills:頭部に発砲 ●John Doe:目的完遂 | |
“ENVY” (嫉妬) | |
“WRATH” (憤怒) | |
●Mills:倒れ込むJohn Doeにさらに5発撃ち込む 無念がるSomersetを置いて一人箱の方へ歩いて行く | |
●Mills:車の後部座席 放心状態で搬送される ●Somerset:面倒は見るという分署長に『是非とも』とお願いをする 今後はどうすると聞かれ何とかやって行くさと答える | |
●Somerset: ヘミングウェイが書いていた『この世は素晴らしい 戦う価値がある』 後の部分は賛成だ |
impressions
総論
まあ、何ていい映画なのでしょう。
とても丁寧な人物描写と場面転換。
事件の内容を7つの罪と罰の羅列で追って行くという分かりやすさの中で
どのシーンも必要かつ十分な意味とつながりと持って展開し
中でも主人公2人の心境の変化は手に取るように提示され、その中でもSomerset刑事のそれはすべての場面にその心境が塗り込まれているかの如く、心象風景と実際の風景が見事に溶け合い移ろう行く様はただただ見事と言う他ありません。
重厚なサスペンスに留まらず、また目を背けたくなるようなシーンはあっても、それは世の中に対して放たれるべきセンセーショナルさを表現しているだけであって、この映画がただ単なる怖い映画ではないということを今回の取り組みで只管に思い知らされました。
各論
➀Somerset刑事の心境の変化
この映画の中心となる象徴的数字7
それは「7つの大罪」の7ともう一つ
Somerset刑事の「定年退職までの7日間」の7。
セブンというタイルは実はこの7を指していたのではないかと思う程
Somerset刑事の最後の7日間こそがこの映画の根幹だったと感じました。
突然目の前に現れた純粋無垢で感情的ではあるが人としての温かい血の通う正義感の強いMills刑事。
その眩いばかりに放たれる光に最初は異物としてあしらってはいたもののやがて違和感から拒絶感を経て
その刺激が自分の根幹を揺るがすに連れて大切で切り離されないものとなり最後には真逆であったものを受け入れ
若かりし頃の本来の自分を取り戻すという経過をたどります。
Somerset刑事がもし街のその他の刑事同様いろんなものを無くしてしまうだけの刑事だったならこうはならず
少しでも残っていた純粋なるものがあったからこそ揺らぎ始めやがては後戻りできないないまでになったのでしょう。
その揺らぎや変化は弱く脆いものなのかというとそうではないと思います。
Mills刑事だけではなく同時にJohn Doeによる影響も大きかったのではないでしょうか。
無意識な世の中を正そうとする二人の正義はやり方は全く逆ではあってもダブルの威力をもってSomersetを襲っていました。
Somerset刑事とJohn Doeにも共通認識はありました。
それは世の中は腐っているということ
犯罪とは異常者が犯すものではなく一般人が犯すもの
でも誰もがそれに無関心であること
しかしSomersetはそれを放置していました。
それに対する猛威としてMillsとJohn Doeは同時に異を唱え行動を起こし
挙句の果てにSomersetに世の中を戦う価値があるとまで言わしめたのです。
②驚愕のクライマックス
最後にSomersetがMillsを救うことができなかったのは非常に残念ではありましたが
MillsとJohn Doeによる世直しの共同作業が完遂されるのを邪魔することがもはやできないと観念したのでしょう。
その作業による一番初めの洗礼を受けることになったSomerset。
この映画は世の中をSomerset刑事を最初の被験者とした救済の物語ではなかったのかと今では思うに至りました。
③Brat Pittの演技力
驚愕のクライマックスでのMills刑事のJohn Doeを射殺するかしまいか逡巡するシーンでのBrat Pittの演技は映画史に残こる名演技だったことは言うまでもありません。
ending..
いかがでしたか?
今までの観賞がいかに浅く至らなかったのかと落胆する程この映画の奥の深さときめの細やかさに驚かされました。
当初「7つの大罪」にはどんなものがあるのかを時系列を追いながらまとめて行くという記事にしようと思っていたのが、
どんどんどんどん人物の心理変化の様に惹かれて行き最後はタイトルとは違った趣の内容となってしまいました。
それでもまだまだ理解が浅くまた言葉足らずなところも多いかと思われますが、今回はここまでにいたしたいと思います。
次回はまた音楽の特集をお届けしたいと思います。
それでは御機嫌よう、さようなら。
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