はじめに
こんにちは。
もうすぐ55歳犬好きギター少年 mitsuru..です。
本日も<wonderful wonder words>にお越しくださいまして熱く御礼申し上げます。
今回は前回に引き続き、落語文字起こしシリーズの第二弾<青菜>をお届けしたいと思います。
前回が江戸落語だったので、今回は上方落語に挑みたいと思います。
開演前
桂枝雀
『青菜』は18世紀中期に起源を持つ上方落語の滑稽話の一つです。
その『青菜』を持ちネタとしていた代表的な噺家が桂枝雀です。
三代目桂米朝に弟子入り後二代目桂枝雀を襲名し、愛嬌のある姿と大きな立ち居振る舞い、明るくて活気のある声と澱みなく流れる語りで観客を爆笑させる芸風により上方落語を代表する大人気噺家となりました。
稀代の名人・天才として、「東の志ん朝(=古今亭志ん朝)・西の枝雀」と称され、また「上方落語の爆笑王」として、落語を「聴かせる」ものから「笑わせる」ものに変えた革命児でもありました。
そして落語を学問的に分析・探求した研究家でもあり、落語における笑いの理論として独自に提唱した「緊張の緩和」は、今ではお笑いの基本的概念として広く認識されています。
今回はその桂枝雀師匠の『青菜』を文字に起こしてその大いなる笑いに迫って行きたいと思います。
どうぞ最後までお付き合い程よろしくお願いい申し上げます。
出囃子
出囃子『昼まま』の調べに乗って師匠登壇。
出囃子とは、噺家が高座に上がる際にかかる音楽。
演奏に使用される楽器は主に三味線、太鼓、笛など。
噺家ごとに曲目が決まっており、通は曲の鳴りを聴いただけでどの噺家が出て来るかを察知するそうです。
『よっ!待ってました!』とばかりに寄席に拍手と歓声が沸き起こります。
「枕」
「枕」とは、落語の本題に入る前の導入部分のこと。
落語はたいてい「枕」-「本編」-「サゲ(オチ)」の3部で構成され、噺家が登壇してすぐに「本編」が始まるのではなく、その前の「枕」で「本編」に関連する話題を話したり、古典落語では江戸時代ならではの風習や文化のようなものを紹介したりして、噺家だけでなく、観客に対しても「本編」にスムーズに入りやすくすると言う役割を果たします。
演目ごとに「枕」が決まっていることも多く、通になると、「枕」の第一声でどんな演目が始まるかを察知するそうですよ。
「上」と「下」
一人で複数の登場人物を演じ分け物語を進めて行く落語では、今どの人物が話をしているのかを観客に分かりやすくするために、人物間の上下関係などを元に、顔や目線の向きなどを左右に振り分けて描写するという手法が取られます。
この時、客席から向かって右方を「上手」・左方を「下手」と言い、その所作は「上下(かみしも)をつける」「上下を切る」などと言われます。
ここでも観客となって、上下の位置に合わせて文字を展開して行きます。
「上」→「下」→「上」へと追って行ってください。
開演
それでは、お待たせしました。枝雀師匠の『青菜』の始まりです。
「サゲ」
隠し言葉の遣り取りも奥さんにかかればこんなにも面白おかしくなります。
植木屋さんの最も言いたくて仕方がなかった『義経。義経。』
奥さんのセリフ終わりに満を持して言い放ちたかったのに、奥さんがすべて奪ってしまったがために挙句の果てに絞り出した『義経』の代わりの『弁慶!』。
何とも愉快で爽快なサゲです。
終演
いかがでしたでしょうか?
残念ながら聞き取れなかったり、意味の分からない箇所がいつくかあったり、枝雀師匠独特のアクションを表現できなかったりと、かなり困難な骨の折れる作業となりましたが、お話の面白さだけは伝わったかと思います。
今回はこれまでとさせていただきます。
最後までお付き合いしていただき誠にありがとうございました。
お後がよろしいようで。
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