– My Favorite 80’s Songs TOP25 –

洋楽

こんにちは。
今年55歳、犬好きギター少年 mitsuru..です。
今回は、私の大好きな80年代の洋楽TOP25を発表したいと思います。

<intro.>

1980年代の洋楽は、私にとって、まぶしくて、きらびびやかで、心をおどらせ豊かにしてくれるまさに宝箱のようでした。そして今もなおその輝きは色せることなくむしろ深みを増して光り続けています。
1983年に入って、多くのイギリスのバンド達が海を渡ってアメリカの音楽シーンを席巻せっけんする「第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン」が本格的に巻き起こる頃、アメリカの「MTV」開局によって急速に一般化したミュージックビデオと、時を合わせるかのように近所にオープンしたレンタルレコード店が、私の胸の洋楽熱を一気に押し上げることになりました。
当時中学生だった私は、夕方にサンテレビで放送されていたミュージックビデオ番組「POPベティハウス」に夢中になり、耳鼻科に通いながらその足でレンタルしたレコード屋に行き、TDKやマクセルのカセットテープにダビングするという日々を過ごしていました。
Michael Jackson, Madonna, Prince, Cindy Lauper といったアメリカ勢に対抗するかのように、Culture Club, Duran Duran, The Police, Wham! といったイギリスのニュー・ウェーブ勢が世界中のヒットチャートを駆け巡ったあの頃は、何てにぎやかで贅沢で幸せな時代だったでしょう。
そこで今回80年代に帰って、TOP25を、1アーティストに付き1曲のランキングで発表していきたいと思います。

<TOP25>

Every Breath You Take

第1位 『Every Breath You Take』
イギリス・ロンドンで結成された3人組ロックバンド The Police の歴史的傑作けっさく
1983年5月、アルバム『Synchronicity』からのシングルとしてリリースされ、イギリスにおいて4週連続、アメリカのビルボードにおいては8週連続1位を獲得。
もう完璧という言葉以外に形容できない名作中の名作。
とっても素直でよどみなく流れるメロディーと歌詞。
そして優しくも強く、心をいやしながらも胸高ぶらせるサウンド。ボーカルのStingの渋くて切ない歌声がすべてを一体化させ、楽曲に命を宿らせています。
Michael Jacksonが8部門で受賞した1984年の第26回グラミー賞では、マイケルの『Billie Jean』と『Beat it』を抑えて最優秀楽曲賞を受賞するという伝説も残しました。
長らく私は、この楽曲を究極のラブソングとして認識していたのですが、スティングさん本人が、『かなり意地悪な曲で、監視と独占欲、そして嫉妬しっとについて歌っているんだよ。』と語っていることを知り、びっくり。
それでも、完璧な完成度の高さと、軽快で親しみやすいポップソングの王様としての価値に変わりはなく、この先もずっとこの曲が私の生涯しょうがい1位であり続けることに変わりありません。

Sweet Dreams (Are Made of This)

第2位 『Sweet Dreams (Are Made of This)』
1980年にロンドンで結成された男女2人組ユニット Eurythmics の代表作。
1983年1月に、同名タイトルのアルバムからシングルカットされ、全英シングルチャート2位、全米ビルボードでは1位に輝く。
独特のシンセイントロから始まり、狂気的なボーカル・コーラス・サウンドが見事で、最後まで聞き手の胸を鷲掴わしづかみにして離さないこの楽曲の完成度は、ポップミュージックの頂点といっても過言ではありません。
斬新ざんしんなエレクトリックのポップサンドと、女性ボーカルAnnie Lennoxさんのビジュアルイメージの強烈な印象はまるで私たちを“夢の世界”にいざなうように、この楽曲の世界観をこれ以上ない程に極めています。
84年のグラミー授では、最優秀新人賞にノミネートされ、その授賞式での舞台はまさに圧巻。
Annieさんのエルビスプレスリー張りのパフォーマンスと、相方Dave Stewartのエレクトリックギターソロの演出にすべての観衆は度肝を抜かれました。

Take On Me

第3位 『Take On Me』
1982年にノルウェー・オスロで結成された3人組シンセポップバンド a-ha の代表作。
1985年9月に3回目のレコーディングで、イギリスシングルチャート2位、アメリカビルボードで1位を獲得。
これ以上にないポップでキャッチーなイントロとサウンド、そしてボーカルのMorton Harketさんの音域の広いボーカルがこの上なく魅力的な楽曲で、音楽史上最も上質なポップミュージックの王道を極めた作品と言えます。
そして何と言ってもミュージックビデオ。
画期的な鉛筆のスケッチ風アニメーションと実写とをたくみに合成した斬新ざんしんさと革新さは世界中に衝撃を放ち、今もなお色せることはありません。
何度聴いても飽きることなく、いつまでも聴き手の心に生き続ける普及の名作。
音楽的文化遺産と言っても過言ではありません。
最初のリリースとなった1984年バージョンはアレンジもミュージックビデオも平凡なものでヒットせず、再アレンジされて世界的大ヒットとなったのが1985年バージョン。
聴き比べてみると圧倒的な違いが分かります。

Do You Really Want to Hurt Me

第4位 『Do You Really Want Hurt Me』
1981年にイギリス・ロンドンで結成された4人組ポップロックバンド Culture Club の初期の名曲。
1982年9月にアルバム『Kissing to Be Clever』からシングルとしてリリースされ、全英で1位、全米でも2位を記録。
厳かで透き通るようなコーラスのイントロから始まり、ボーカルのBoy Georgeさんの優しくソウルフルでつやのある歌声が、優雅ゆうがに移ろうメロディーと黒人音楽をルーツとした重みのあるサウンドに溶け込み、レゲエのリズムと一体となってまさに“完璧”な楽曲を作り上げています。
82年のセンセーショナルなデビューとブレイクを経て、この楽曲が83年から本格的に始まる第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンの導火線に火をつけたと言っても過言ではありません。
その後もニューロマンティックムーブメントと呼ばれた一大ブームの筆頭として大活躍し、84年のグラミー賞では最優秀ポップ・パフォーマンス賞にノミネートされると共に、最優秀新人賞も受賞しました。
今回のランキングでは、大人となった今、厳かな雰囲気のこの楽曲を選択しましたが、少年時代だったら飛び切りキャッチーなもう一つの代表曲『Karma Chameleon』を選んでいたと思います。

99Luftballons

第5位 『99Luftballons』
1981年に西ベルリンで結成されたロックバンド Nena の大ヒット曲。
1983年3月にアルバム『Nena』からのシングルでリリースされ、ドイツのヒットチャートで1位を獲得。翌年、英語バージョンの『99Red Balloons』で全英3週連続1位、全米で2位を獲得。
女性ボーカルNenaさんの愛くるしい舌っ足らずの歌声がとっても魅力的で、静かに始まるイントロは、一転して心躍る軽快なシンセ&ドラムサウンド全開となり、最後まで聴く人の心をとりこにします。
間奏もエンディングに至るまでアレンジには一切のすきがなく、一度聞けばまた聞きたくなる程聴き手の心はヘビーローテーションに陥ります。
80年代、英語以外の言語での世界的ヒット曲は珍しく、英語バージョンの『99Red Balloons』よりも母国ドイツ語の『99Luftballons』が頻繁ひんぱんにオンエアーされ、日本人のリスナーにも耳馴染なじみのある楽曲となりました。
私は、ドイツ語の独特のイントネーションと発声によって、より力強い歌唱に引き立てられているように思えて、英語バージョンより断然『99Luftballons』の方が断然だんぜん好きです。

Heaven Is a Place on Earth

第6位 『Heaven Is a Place on Earth』
1987年に、アメリカのガールズバンド「The Go-Go’s」解散後のソロとしてリリースしたBelinda Carlisleの大ヒット曲。
アルバム『Heaven on Earth』からの先行シングルとしてリリースされ、全英・全米共に1位を獲得し、1988年の第30回グラミー賞で、最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネート。
『天国とは地上にある場所。今を生きることにこそ希望や喜びがあるはず。』とBelindaさんは歌っているのだと思います。美しい歌唱はよどみなく流れるメロディーに乗り、さらに透き通るコーラスワークと力強いバンドサウンドが一体となって人々に幸せを運んでいます。
リリース当時はイケイケのお姉さんといった感じがしましたが、最近ではとっても心優しいベテランシンガーといった雰囲気がします。
この歌を歌うBelindaさんと、それを聴く観客が一体となってコンサート会場が幸せいっぱいに包まれている様子が目に浮かびます。
何度聴いても飽きない、ずっと口ずさんでいたい名曲中の名曲です。

Everybody Wants to Rule the World

第7位 『Everybody Wants to Rule the World』
1981年にイギリスで結成された2人組ロックバンド Tears for Fears の代表曲の一つ。
1985年アルバム『Songs from the Big Chair』からシングルとしてリリースされ、全英2位・全米1位を獲得。
もう一つの代表曲『Shout』でのRoland Orzabalさんの野太くて力強いボーカルに対して、『Everybody Wants to Rule the World』では深みとコクのあるCurt Smithさんがリードボーカル。
ほぼユニゾンでのコーラスですが、二人の声が一つに聞こえるかのような、声の重なり合い・溶け合い具合が絶妙です。
そして一つ一つの音に言葉を刻み込むようなはっきりとした割りは、何だか日本語風でとっても心地がいいです。
「誰もが世界を征服したがっている」というメッセージに対して、情緒豊かな旋律と優しく透き通るギターサウンドがこの楽曲の素晴らしさを引き立たせています。
もうまさに完璧なポップミュージック。
この曲を聴く度に、楽曲そのものに羽根があって、自らの意思で世界を飛んでいるようなそんな錯覚に浸ります。

With or Without You

第8位 『With or Without You』
1976年にアイルランド・ダブリンで結成、1980年にデビューした4人組ロックバンド U2 の代表曲の一つ。
1987年にアルバム『The Joshua Tree』からの先行シングルとしてリリースされ、全英で4位・全米で初の1位を獲得。
ボーカルのBonoさんの切なくも力強い歌唱に、U2独特のギターアレンジ、丁寧に刻むようなベース、そしてハイハットの絶妙なスパイスをかもし出すドラムと、すべてのサウンドが一体となって命をつむいでいます。
静かなイントロから中盤へそして後半の叫びへとの盛り上がりは、魂の震えさえ覚え、また歌詞もとっても観念的で情緒が止めなくあふれます。
続いてシングルカットされた『I Still Haven’t Found What I’m Looking For』も全米チャート1位となり、1988年のグラミー賞では、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞にそれぞれノミネート、そしてMichael Jacksonの『Bad』を抑えて最優秀アルバム賞を受賞し、最優秀ロック・パフォーマンス賞受賞と多くの栄冠に輝きました。

Time After Time

第9位 『Time After Time』
1977年から音楽活動を開始し、1983年にソロデビューしたアメリカ人女性シンガー Cyndi Lauper の名作の一つ。
1984年1月に、ファーストアルバム『She’s So Unusual』からのシングルとしてリリースされ、全英3位、全米では2週連続1位を獲得。
Cyndiさんの別れた恋人へのどうしようもななく切ない気持ちを淡々たんたんと歌い上げる声は、その心情に寄り添うようなコーラスと音色に溶け合い、これ以上にないバラードとなって聴く者の心をめ付けます。
元気とカラフルさ満載のファーストシングル『Girls Just Want to Have Fan』も大ヒットし、1985年の第27回グラミー授では、最優秀楽曲賞、最優秀レコード賞、最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞、及び最優秀アルバム賞にそれぞれノミネートされると共に最優秀新人賞を受賞。
授賞式では素晴らしいパフォーマンスも披露しました。

Faith

第10位 『Faith』
1987年に、ポップデュオ「Wham!」解散後のソロとしてリリースした George Michael の代表作。
アルバム『Faith』からのシングルとしてリリースされ、全英で2位、全米では1位そして年間でも1位を獲得。
Wham!の活動中でも軽快でキャッチーな楽曲制作で類稀たぐいまれなる才能を発揮していたGeorgeさんが、ソロとしてもまさにこれ以上ない王道ポップミュージックを世界に届けました。
Wham!の名曲『Freedom』をパイプオルガンで奏でたイントロから始まり、アコースティックギターサウンドで細かい変化をいつくも重ねながら展開して行くさまは、全くの力感を感じさせず、楽曲自身が呼吸しているとさえ錯覚する程です。
アルバム『Faith』も大ヒットし、1989年の第31回グラミー賞では、最優秀アルバム賞を受賞しました。
2016年に53歳という若さでこの世を去ったこと本当に残念でなりません。
もっと素敵な楽曲をいっぱい聴かせて欲しかったです

<Break-1>

ここで少し休憩。

①1980年代とは音楽にとってどんな時代だったのでしょうか・・・
1980年代の音楽に関する重大出来事として、

●1979.07.01:「ウォークマン」発売
●1980.12.08:ジョン・レノン暗殺
●1981・08.01:アメリカ「MTV」開局・放送開始
         プロモーション・ミュージック・ビデオが急速に一般化
●1982中盤~:第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン~1987年
●1982.10.01:世界初の音楽CD発売
●1983.12.02:Michael Jackson:music video『Michael Jackson’s Thriller』公開
●1984.11.01:世界初のポータブルCDプレーヤー「ディスクマン」発売
●1985.03.28:USA for Africa『We Are The World』のレコーディングと発表
●1985・07.13:LIVE AID チャリティーコンサート開催

などがげられます。
まず、音楽に革命が起こったと言っても過言ではないポータブルオーディオプレーヤーの出現。
それまでの屋内から屋外へと、あるいは静から動へと音楽に対する接し方が大きく転換し、よくも悪くも音楽がさらに身近なものになった時代の幕開けでした。
そして、音楽業界にとって、媒体ばいたいだけではなく、ミュージックビデオという伝達手段の革新とグローバル化が起こった激動の時代といっていいでしょう。
インターネット時代前夜、楽曲の世界へと広がる速さはまずこの時に拍車はくしゃがかかったと言えます。

②「第二次ブリティッシュインヴェイジョン」とは・・・
1960年代半ばの「Beatles旋風せんぷう」に象徴されるように、イギリスのロックミュージックがアメリカを席巻した現象である「ブリティッシュ・インヴェイジョン」に由来し、1982年~1987年に再び巻き起こった「Duran Duran」,「Culture Club」,「The Police」,「Wham!」などの多くのイギリスのロックグループがアメリカ大陸へ押し寄せ、ヒットチャートを賑わせた現象のこと。

以上、<Break-1>でした。
引き続き11位~15位の発表です。

Freedom

第11位 『Freedom』
1982年にイギリスでデビューしたポップデュオ Wham! の名作中の名作。
1984年10月に、アルバム『Make It Big』からのシングルとしてリリースされ、全英で3週連続1位、全米で3位を記録。
前作までのダンスミュージック路線から一転、キャッチーなポップミュージック路線へと展開する中で、ボーカルのGeoge Michaelさんが打ち出したポップチューンの最高ほうとも言える楽曲。
開始からいきなりの胸躍らせるサウンド・歌唱・コーラスは、楽曲自体にあたかも自我があるかのような自然体で、最後の最後まで聴き手の心を幸せでいっぱいにする力で満ちています。
また、同アルバムの収録曲『Careless Whisper』ではバラードでも天才性を遺憾いかんなく発揮し、まさにGeorgeさんはポップミュージックの申し子と言える存在でした。
残念ながら1986年に人気絶頂の中、Wham!は解散してしまいますが、Georgeはその後『Faith』を引っげて帰って来ます。

When Doves Cry

第12位 『When Doves Cry』
1975年から活動を始め、1978年にデビューしたアメリカ人アーティスト Prince の代表曲の一つ。
1984年5月に、アルバム『Purple Rain』の先行シングルといてリリースされ、イギリスシングルチャート4位、アメリカビルボードでは5週連続1位となり、84年の年間1位を獲得。
孤高ここうの天才ミュージシャンPrinceさんがボーカルとすべての楽器を演奏し制作した楽曲。
特徴の一つとしてベースラインの欠落が挙げられていますが、これによって独特なリズムサウンドはより引き立てられ、この楽曲を強烈に印象付けることに成功しています。
そして、愛に対する恐れや悲観的な感情をまるで呪文やお経をむかのようにつむぐ展開に、聴き手は思わず我を忘れていまいます。
「Prince and The Revolution」として制作したアルバム『Purple Rain』も全米1位を獲得。
1985年の第27回グラミー賞ではProducer of the YearとAlbum of the Yearにそれぞれノミネート、最優秀サウンドトラック・アルバム作曲賞と最優秀ロック・パフォーマンス賞を受賞。
今回のランキングでは、Princeのもう一方の軽快でキャッチーなポップサウンドもとっても魅力的な『Raspberry Beret』とどちらを選択しようか最後まで悩みました。

The Reflex

第13位 『The Reflex』
1978年にイギリス・バーミンガムで結成された5人組ロックバンド Duran Duran の大ヒット曲。
1984年4月に、アルバム『Seven and the Rugged Tiger』からのシングルとしてリリースされ、全英で4週連続1位、全米で2週連続1位を獲得。
シンセサウンドを前面に押し出しながら、Simon Le Bonさんの力強いボーカルに、ギターサウンドとコーラスワークが一体となって、キャッチーでありつつもメリハリのある展開をよりダイナミックなものとしています。
1981年のイギリスでのデビューとブレイクを経て、ニューロマンティックムーブメントの中心的存在となり、第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンの先駆さきがけとなりました。
当時大人気だったイケメンベーシストのJohn TaylorさんとキーボーディスとのNick Rhodesさんのビジュアルも相まって、華やかできらびやかなイメージももちろんのこと、音楽面でも他のバンドの追随ついずいを許さない程のハイクオリティーなポップサウンドを見せ付けていました。

Strut

第14位 『Strut』
1979年に歌手活動を開始したスコットランド出身の女性ポップシンガー Sheena Easton の楽曲。
1984年8月に、アルバム『A Private Heaven』からの先行シングルとしてリリースされ、全米7位を記録。
代表曲『Modern Girl』や『Telefone(Long Distance Love Affair』での可憐かれんで軽快なポップ調とは異なり、クールでとってもかっこいいロックチューンとなっています。
リズムセクションとホーンセクションが絶妙に合致し、激しさと力強さを兼ね備えたSheenaさんの美しい歌声がサウンドに溶け込み、聴き手魅了しています。
1985年のグラミー賞では、最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネート。
日本のCMでも使用され人気の楽曲となりました。

Two Tribes

第15位 『Two Tribes』
1980年にイギリスのリバプールで結成された5人組ロックバンド Frankie Goes to Hollywood の楽曲。
1984年6月に、アルバム『Welcome to the Pleasuredome』の先行シングル第二弾としてリリースされ、全英で9週連続1位の歴史的大ヒットとなる。
センセーショナルなデビューを果たした『Relax』に引き続き、米ソ冷戦と核戦争をテーマにしたこの楽曲でも物議ぶつぎかもしだし、Frankie Goes to Hollywoodの存在感は極め付けとなり、『Relax』とともにイギリス国内でチャートの1位・2位を独占する程のムーブメントを起こしました。
Hollyさんの力強い歌声に、シンセ&ベースサウンドを前面に打ち出した重厚感、ギターサウンドによる絶妙な疾走感がり成す世界観は、我々を興奮冷めやらぬ狂気に包み込みます。
プロモーションビデオでは、アメリカのレーガン大統領とソ連のチェルネンコ書記長の土俵での取っ組み合いの喧嘩が繰り広げられ、最後には地球が爆発するという内容で、もうやりたい放題。
そのセンセーショナルさがアメリカでも評価され、1985年のグラミー賞では最優秀新人賞にノミネートされました。

<Beak-2>

ここでまた少し休憩。

このブログ記事では、アーティスト名や曲名を原題の英語表記のままで記載しています。
あえてカタカナ表記にするとか、和訳タイトルを添える必要がないのと、英語でしか伝わらないニュアンスがきっとあるに違いないと思っているからです。
常々、私は思うのですが、何か変だなあと思う和訳タイトル見かけませんか?これは洋画にも共通するものだと思うのですが、『和訳タイトルのセンスがない!』『無理くり和訳する必要はない!』などど、邦題について溜め息を吐く今日この頃、少し例を挙げて検証してみたいと思います。

1)『Girls Just Want to Have Fun』/Cyndi Lauper
和訳:『彼女たちは楽しみたがっているだけさ』 みたいな感じだと思うのですが、
邦題:『ハイ・スクールはダンステリア』 なんですって!?
これは、プロモーションビデオの愉快で楽しそうな内容に引き摺られたのか、ハイスクールもダンステリアも何の関係もないやん!
それではあまりにもおかしいと思い直したのか、知らない間にしれ~っと
原題:『Girls Just Want to Have Fun』 に戻っていたんやで。やれやれ・・・
ファーストアルバムの『She’s So Unusual』 が手付かずでほんまによかった。

2)『When Doves Cry』/Prince
和訳:『鳩が鳴く時』 直訳するとこうなりますが、
邦題:『ビートに抱かれて』 って!? なんでやねん!
Princeさんは、愛に対する恐怖や悲観的な感情を、平和を象徴する「鳩が鳴く」と表現されているそうで、楽曲のノリで勝手にビートに抱かれたらあかんやろ!
この邦題は訂正されずに今もなお残っています。

3)『Do You Really Want to Hurt Me』/Culture Club
和訳:『君は本当に僕を気付付けたいの?』 になりますが、
邦題:『君は完璧さ』 ってどういうことなん!?
好きな人が完璧すぎて泣いてまうわって感じなん?
最初は、『冷たくしないで』というのがアルバム収録の際の邦題でしたが、日本でシングルとしてリリースされるタイミングで『君は完璧さ』に改編されたとのこと。
最初でよかったのに・・・いや原題そのままでよかったのに・・・

4)『This Boy』/The Beatles
邦題:『こいつ』 
って乱暴過ぎるやろ!もうやめさせてもらうわ!

続いては、16位~20位の発表です。

Manic Monday

第16位 『Manic Monday』
1981年にアメリカ・ロサンゼルスで結成された女性ロックバンド The Bangles の代表作。
1986年1月に、アルバム『Different Light』からのシングルとしてリリースされ、全英・全米共に2位のヒット曲となる。
楽曲の制作者は、あのPrince。
こんな綺麗で澄んだ楽曲までも手掛けるだなんて、まさに天才のなせる業だと感嘆します。
ピアノの美しい旋律に始まり、可憐かれんなボーカルに織り成すコーラスワーク、品のあるバンドサウンドと、とにかく美しさ満載の楽曲で、力感なく素直に流れる展開にあっという間に終わってしまう喪失感さえ感じます。
ボーカルのSusanna Hoffsさんの大きくて綺麗な瞳に吸い込まれそうになった少年時代、月曜日が嫌いだった気持ちと共にいろいろな思い出がよみがえって来ます。

Hold Me Now

第17位 『Hold Me Now』
1977にイギリスで結成された3人組ポップロックバンド Thompson Twins の代表作。
1983年11月に、アルバム『Into the Gap』からの先行シングルとしてリリースされ、全英4位、全米3位となる。
清らかな小川が流れるような、とっても静かで耳心地のいい曲調が心を穏やかにさせます。
親しみやすい“ Hold me now, oh- Warm my heart, Stay with me “のサビのフレーズでは思わず一緒に歌い出してしまいそう。
パーカッションのAlannah Currieさんのファッションや立ち居振る舞いも印象的で、楽曲のキャッチーさを引き立てています。音楽性豊かな3人が織り成すとっても上質なポップロックチューンです。

The Boys of Summer

第18位 『The Boys of Summer』
1971年にアメリカで結成された伝説のロックバンド Eagles の活動停止後、1982年にソロ活動を始めた Don Henley のヒット曲。
イーグルスでソングライター,ドラマー,そしてボーカリストとして大活躍されていたレジェンドが1984年10月にアルバム『Building the Perfect Beast』からの先行シングルとして発表。全米で5位のヒット曲となる。
イーグルス時代でも多くの名曲を奏でていた歌声は、この楽曲でもさらにその渋さを増し、淡々と仕事をこなす職人のように切なさと温もりを抱き、そして丁寧で情緒豊かなギターサウンドとドラミングは、聴く人の心に静かな高揚感を届けます。
ロックテイストをより深めたカバー曲もお気に入りでよく聴くのですが、オリジナルに立ち返ると、この楽曲の完成度の高さに驚かされます。
1986年のグラミー賞では、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞にそれぞれノミネートされるとともに、最優秀男性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。

Footloose

第19位 『Footloose』
1968年にアーティスト活動を開始したアメリカ出身の歌手 Kenny Loggins の代表作品。
1984年2月に公開され大ヒットしたアメリカ映画『Footloose』の挿入歌として楽曲も大ヒット。
全英で6位、全米で3週連続1位となる。
曲が始まるとともに思わず体も心も踊り出す、ポップの果汁がたっぷり詰まったまさに教科書とも言える楽曲。
何と言ってもKennyさんの高い歌唱力。中盤のshout!はまさに鳥肌もの。
コーラスワークもピカイチでギターを中心としたバンドサウンドは、遊園地にいるかのように我々を童心に返します。
この世界的大ヒットにより、1985年の第27回グラミー賞では、最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネート、サウンドトラックも最優秀サウンドトラック賞にノミネートされました。

Do They Know It’s Christmas?

第20位 『Do They Know It’s Christmas?』
1984年に起こったエチオピア飢餓を受け、アイルランド出身のミュージシャンBob Geldofが発起人となって結成された一大チャリティープロジェクト。
イギリス・アイルランドのロック・ポップス界のスーパースターが集まり歌った『Do They Know It’s Christmas?』は世界の関心を集め大ヒット、そしてUSA for Africaの『We are the World』、1985年の20世紀最大のチャリティーコンサート「Live Aid」へとそのバトンは受けがれて行きます。
楽曲は、Paul Youngさんの歌唱で静かに始まり、Boy Georgeさん(Culture Club)が盛り上げ、George Michaelさん(Wham!)→Simon Le Bonさん(Duran Duran)→Stingさん(The Police)へとリレーされ、Bonoさん(U2)の叫びから全体の合唱へと展開し、『Let them know it’s Christmas time again』で大団円を迎えます。
歌詞については、アフリカの状況に対する、西洋側のセレブ達の一方的な決め付けであったり、Bonoさんの叫びの部分『今夜は神様に感謝しよう。自分がそこに居なくて済んでいることを。』と和訳される部分についても賛否があります。
ですが、収益面での成功だけでなく、世界的なチャリティーへの扉を開いたこと、そして最後の『彼らにクリスマスがまたやって来たと伝えよう。』に集約される精神性は尊いものがあると思います。
そしてその思いは次の代からまた若い世代へと繋がり、1989年の「Band AidⅡ」、2004年の「Band Aid20」、2014には「Band Aid30」として楽曲のリメイクと再結成が繰り返えされています。
その「Band Aid30」で、あのBonoさんの叫びの部分が、『今夜我々は手を伸ばしあなたに触れよう。』となったことは胸救われる思いがしました。

<Break-3>

またまた休憩。

各楽曲にGrammy Award=グラミー賞の受賞歴を記載していますが、
グラミー賞とは・・・
アメリカの音楽産業において優れた作品を創り上げたクリエーターの業績をたたえる世界で最も権威ある音楽賞で、映画における「アカデミー賞」と同等の栄誉として位置づけられ、毎年翌年の2月頃にノミネートアーティスト達のパフォーマンスとともに盛大な授賞式がり行われています。多種多様な音楽の全ジャンルにおいて、歌手だけでなく、ソングライター,プロデューサー,演奏者,技術者,制作チームといった音楽にたずわる全ての人々を受賞の対象とし、主催のザ・レコーディング・アカデミーの会員により、ノミネートされた中から最優秀賞が決定されます。1959年に第1回授賞式が行われ、今年2024年2月に第66回授賞式が行われました。
賞は、主要4部門(=General/ビッグ・フォー)と各ジャンルの部門賞に分かれます。

<主要4部門>
●Record of the Year:最優秀レコード賞=最も優秀なシングル曲の制作チームに授与
●Song of the Year:最優秀楽曲賞=最も優れたシングル曲のソングライターに授与
●Album of the Year:最も優秀なアルバムの制作チームに授与
●Best New Artist:最優秀新人賞=最も優秀な新人アーティストに授与

歴代最多受賞者は歌手のビヨンセさんで32回。これまでに坂本龍一さん,B’zの松本孝弘さん他日本人アーティストも数多くの方々が受賞されています。最近では、韓国のアイドルグループ「BTS」のノミネートが話題になりました。

ラスト21位~25位です。

Alone

第21位 『Alone』
1973年にアメリカ・シアトルで結成された姉妹2人をメインにしたロックバンド Heart の代表曲。
1987年5月にアルバム『Bad Animals』からのシングルとしてリリースされ全英で3位、全米で3週連続1位となる。1983年に発表されていた曲のカバー。
ボーカルでお姉さんのAnn Wilsonさんの歌唱力は極めて素晴らしく、切なくも悲しいバラードを最高峰にまで高めています。サウンドも心震わせる程、熱情豊かにダイナミックな展開を見せています。
この楽曲のヒットで、1988年の第30回のグラミー賞で最優秀ロック及びポップパフォーマンス賞にノミネートされました。

You Spin Me Round (Like a Record)

第22位 『You Spin Me Round(Like a Record)』
1980年にイギリス・リバプールで結成されたユーロビート系のロックバンド Dead or Alive の代表曲。
1984年11月にアルバム『Youthquake』からの先行シングルとしてリリースされ全英で2週連続1位、全米でも大ヒット。
ボーカルのPete Burnsさんの妖艶で派手なビジュアルが極めつけの軽快なダンスビートフル回転の楽曲です。
一度聞けば病みつきになるような中毒性があり、この曲がかかると思わず踊り出したくなり衝動にられます。

You might Think

第23位 『You might Think』
1976年にアメリカ・ボストンで結成された5人組ロックバンド The Cars のヒット曲。
1984年2月にアルバム『Heartbeat City』からの先行シングルとしてリリースされ、アメリカで7位とヒット。
キャッチーなポップロックのお手本と言える程、王道のど真ん中を行く軽快で陽気な楽曲。
心地よいヴォーカルのRic Ocasekの歌声とシンセ&ギターサウンド全開で、聴く人すべてを元気にさせます。1985年の第27回グラミー賞では、最優秀ロックパフォーマンス賞と最優秀ミュージック・ビデオ賞にノミネートされました。

The Power of Love

第24位 『The Power of Love』
1979年にアメリカ・サンフランシスコで活動を始めた骨太ほねぶとロックバンド Huey Lewis and the News の大ヒット曲。
1985年7月に公開されたアメリカSF映画『Back to the Future』の主題歌に起用され、全米で2週連続1位に輝く。
渋さ満載のフロントマンHuey Lewisさんの歌声をキャッチーなシンセサウンド全開で盛り立てる、まさにポップロックのど真ん中を行く楽曲です。
この楽曲の世界的大ヒットにより、1986年の第28回グラミー賞では、最優秀楽曲賞と最優秀ポップ・パフォーマンス賞にノミネート。映画『Back to the Future』のサウンドトラックも最優秀賞にノミネートされました。
この楽曲を聴くと一瞬にしてあの頃に戻れるだなんて、愛するポップロックにはタイムマシン機能がそなわっているんですね。

We Didn’t Start the Fire

第25位 『We Didn’t Start the Fire』
1964年に音楽活動を開始し、1971年にソロとしてデビューしたアメリカ人シンガーソングライターでピアニストの Billy Joel のロックチューン。
1989年9月にアルバム『Storm Front』からの先行シングルとしてリリースされ、全英7位、全米で2週連続1位に輝く。
この楽曲の成功によって、Billyさんは、1990年の第32回グラミー賞では、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞及び最優秀ポップパフォーマンス賞にそれぞれノミネートされました。
内容は、1949年から1989年に至るまでの、世界史上の著名人や事件、文化、国際情勢や社会問題などのありとあらゆる歴史的出来事、全118もの事象を並べつむいで行くという気の遠くなるような楽曲で、実際にアメリカで世界史の教材にも採用された程の超絶至極なボリュームを誇ります。
80年代最後の年にリリースされたこの楽曲。『Piano Man』のような抒情じょじょう歌、『Honesty』のようなバラード、『Uptown Girl』のような上質ポップだけではなく、こんなにすごいロックチューンを世に生み出したレジェンドの中のレジェンドBilly Joelさん。80年代をこんなかっこいい曲で締め括ってくださって、本当にありがとうございました。

<まとめ>

songArtistrelease
1Every Breath You TakeThe Police1983
2Sweet Dreams(Are Made of This)Eurythmics1983
3Take On Mea-ha1985
4Do You Really Want to Hurt MeCulture Club1982
599LuftballonsNena1983
6Heaven Is a Place on EarthBelinda Carlisle1987
7Everybody Wants to Rule the WorldTears for Fears1985
8With or Without YouU21987
9Time After TimeCyndi Lauper1984
10FaithGeorge Michael1987
11FreedomWham!1984
12When Doves CryPrince1984
13The ReflexDuran Duran1984
14StrutSheena Easton1984
15Two TribesFrankie Goes to Hollywood1984
16Manic MondayThe Bangles1986
17Hold Me NowThompson Twins1983
18The Boys of SummerDon Henley1984
19FootlooseKenny Loggins1984
20Do They Know It’s Christmas?Band Aid1984
21AloneHeart1987
22You Spin Me Round (Like a Record)Dead or Alive1984
23You might ThinkThe Cars1984
24The Power of LoveHuey Lewis and the News1985
25『We Didn’t Start the FireBilly Joel1989

<outro.>

いかがでしたか、私の大好きな80年代洋楽TOP25。
イギリス出身のバンドをたくさん好んだ少年時代の影響で、80年代を代表する大物Michael Jacksonさん、Madonnaさんを外すというとんでもない状況になってしまいました。
この間、何度も何度も80年代の楽曲を聴きながらあの時代に帰り、あの頃の自分にも会いに行くことができ、感慨深い気持ちでいっぱいになりました。
今はやり切った心持ちでいっぱいです。
また何年後かに改訂などもしてみたいなあなんて思っています。
最後まで私の長旅にお付き合いくさだり本当にありがとうございました。
それではまたお会いしましょう。
ご機嫌よう、さようなら

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